遠方にある実家の空き家、どう管理する?最低限やるべき5つのこと
「実家を相続したけど、今の住まいから遠くてなかなか見に行けない……」
こうしたお悩みは、私たちが日々ご相談を受ける中でも特に多いものです。総務省の「住宅・土地統計調査(2023年)」によると、全国の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%に達しています。田川市では20.98%と、5軒に1軒が空き家という状況です。
遠方にある空き家を放置し続けると、建物の劣化が進むだけでなく、「管理不全空き家」に指定されるリスクもあります。今回は、遠くに住んでいても最低限やるべき5つの管理ポイントをお伝えします。
やるべきこと1:月1回の通気・換気
空き家の劣化が進む最大の原因は「湿気」です。人が住んでいない家は空気の流れが止まり、室内に湿気がこもります。その結果、カビの発生、木材の腐食、シロアリの被害へとつながっていきます。
理想は月に1回、すべての窓を開けて1〜2時間換気すること。押入れやクローゼットの扉も開放しましょう。年に数回しか行けない場合でも、行ったときには必ず換気を行ってください。
やるべきこと2:通水(水道の通し水)
水道管は長期間使わないと、内部の水が蒸発して下水の臭気が室内に上がってきます。また、配管内にサビが発生し、劣化が早まります。
訪問時には、すべての蛇口を1〜2分間開けて水を流してください。トイレも必ず流しましょう。これだけで排水トラップの封水が維持され、害虫の侵入防止にもなります。
やるべきこと3:郵便物・チラシの回収
郵便受けにチラシや郵便物がたまっていると、「この家は空き家だ」と一目でわかります。これは不法侵入や放火のリスクを高める要因です。
郵便局に「転居届」を出して郵便物を転送する手続きをしておきましょう(届出から1年間有効、延長可能)。また、ポストに「チラシ不要」のステッカーを貼るのも有効です。可能であれば、近隣の方にポストの様子を見てもらえるよう頼んでおくと安心です。
やるべきこと4:庭木・雑草の管理
庭の手入れを怠ると、雑草が伸び放題になり、害虫の温床になります。隣家に枝が越境すれば、トラブルの原因にもなります。2023年4月の民法改正(民法233条)により、越境した枝について隣地所有者が一定の条件のもとで切除できるようになりました。
年に2〜3回は草刈り・剪定を行いましょう。遠方で対応が難しい場合は、地元のシルバー人材センターや造園業者に依頼する方法があります。田川市周辺では、1回あたり1〜3万円程度で対応してくれる業者もあります。
やるべきこと5:近隣への挨拶と連絡先共有
空き家のご近所にとって、「何かあったときに誰に連絡すればいいかわからない」という状態は大きな不安材料です。
所有者として、近隣の方に挨拶をしておくことが大切です。その際、連絡先(電話番号やメールアドレス)を伝えておきましょう。台風で屋根材が飛んだ、水道管が破裂したといった緊急事態を早期に知ることができます。
自分で管理できない場合は「空き家管理サービス」を活用
「月1回も通えない」「体力的に管理が難しい」という方には、空き家管理サービスの利用をおすすめします。
主なサービス内容は以下のとおりです。
- 外観チェック:建物の外壁・屋根・雨どいの目視確認
- 通気・通水:室内の換気と水道の通し水
- 郵便物の回収・転送
- 庭木・雑草の状況報告
- 写真付き報告書の送付
費用の目安は、月額5,000〜15,000円程度です。内容や頻度によって異なりますが、建物の維持管理と比較すれば、十分にコストに見合うサービスといえます。
管理を怠ると「管理不全空き家」に指定されるリスク
2023年12月に施行された改正空家等対策特別措置法では、「管理不全空き家」という新たな区分が設けられました。これは、放置すれば「特定空き家」になるおそれのある空き家を、早い段階で指導・勧告の対象とするものです。
管理不全空き家として勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税額が最大で約4〜6倍になる可能性があります(地方税法349条の3の2)。
「遠いから仕方ない」では済まされない時代です。定期的な管理の体制を整えることが、資産を守る第一歩になります。
まとめ
遠方の空き家管理で最低限やるべきことは、次の5つです。
- 月1回の通気・換気
- 通水(水道の通し水)
- 郵便物・チラシの回収
- 庭木・雑草の管理
- 近隣への挨拶と連絡先共有
自分で管理するのが難しければ、空き家管理サービスの活用も有効な選択肢です。そして、管理し続けること自体が負担であれば、売却や解体も含めた「出口戦略」を考える時期かもしれません。
空き家の管理や今後の活用についてお悩みの方は、株式会社玄風までお気軽にご相談ください。当社は解体工事業の許可を保有しており、顧問弁護士とも連携して、管理から売却・解体まで一括でサポートいたします。
株式会社玄風(福岡県田川市)