空き家のDIYリノベーション ── 低コストで賃貸に出す方法と注意点

「空き家をなんとか活用したいけれど、リフォームに数百万円もかけられない……」

こんな声をよく耳にします。フルリフォームを業者に依頼すれば、確かに数百万円〜1,000万円以上の費用がかかることも珍しくありません。しかし最近では、自分でできる範囲をDIYで改修し、低コストで賃貸に出すという選択肢が注目されています。

今回は、空き家をDIYリノベーションして活用するための方法と、見落としがちな注意点を解説します。


DIYリノベーションとは?

DIYリノベーションとは、壁の塗装、床材の張り替え、棚の設置などの内装工事を、専門業者ではなく自分自身で行うことです。YouTubeやSNSでノウハウが広まり、ホームセンターでもDIY用の建材が手軽に入手できるようになりました。

空き家の場合、特に以下のような作業がDIYに向いています。

  • 壁紙の張り替え・塗装:費用目安 5〜20万円
  • 床材(クッションフロア等)の張り替え:費用目安 5〜15万円
  • キッチン・洗面台の交換:費用目安 10〜30万円
  • 照明器具の交換:費用目安 1〜5万円
  • 庭の整備・外構の簡易補修:費用目安 5〜20万円

トータルで50〜200万円程度あれば、見違えるほどきれいにできるケースも少なくありません。


「DIY可能物件」として貸し出す方法

もう一つの選択肢として注目されているのが、「DIY可能物件」として借り手に改修を任せる方法です。

国土交通省は「DIY型賃貸借に関するガイドライン」を策定しており(国土交通省、2016年3月策定)、借主が自費で改修を行う代わりに家賃を抑える賃貸形態を推奨しています。

このガイドラインでは、以下の点を契約時に取り決めることが推奨されています。

  • DIYの施工範囲(どこまで改修してよいか)
  • 費用負担の取り決め
  • 原状回復義務の有無
  • 施工前の物件状況の記録

オーナー側のメリットとしては、初期投資をほぼゼロに抑えられること、借主が自分好みに改修するため長期入居につながりやすいことが挙げられます。


DIYでやってはいけない工事

DIYで対応できるのは、基本的に「内装の仕上げ」の範囲です。以下の工事は、資格が必要だったり、建築確認申請が必要になるため、DIYで行ってはいけません。

1. 電気工事

コンセントの増設やブレーカーの交換などは、電気工事士の資格が必要です(電気工事士法第3条)。照明器具の交換(引掛シーリングへの取り付け)程度であれば資格は不要ですが、配線工事は必ず専門家に依頼してください。

2. ガス工事

ガス管の接続や移設は、ガス事業者または有資格者しか行えません。ガス漏れは爆発事故につながるため、絶対にDIYで触らないでください。

3. 構造に関わる改修

柱や壁を撤去する、間取りを変更するといった構造に関わる工事は、建物の耐震性に直結します。特に、建築基準法の「大規模の修繕」や「大規模の模様替え」に該当する場合は、建築確認申請が必要です(建築基準法第6条)。

4. 給排水工事

水道管の接続や移設には、自治体の指定給水装置工事事業者への依頼が必要です。


耐震性の確認は必須

空き家のDIYリノベーションで見落とされがちなのが、建物の耐震性です。

1981年5月以前に建築確認を受けた建物は「旧耐震基準」で建てられています。旧耐震基準の建物は、震度5強程度の地震で倒壊するリスクがあり、そのまま賃貸に出すのは安全上問題があります。

耐震診断の費用は、木造住宅で5〜20万円程度です。多くの自治体で耐震診断の補助制度が設けられていますので、まずはお住まいの自治体に確認してみましょう。福岡県内の各市町村でも、耐震診断・耐震改修に対する補助制度が設けられています(福岡県住宅計画課ウェブサイト参照)。


賃貸に出す前の確認事項

DIYリノベーションが完了したら、賃貸に出す前に以下を確認しましょう。

  1. 建物の登記内容の確認:増改築の履歴が登記に反映されているか
  2. 火災保険への加入:賃貸物件として適切な保険に加入しているか
  3. 管理体制の整備:自主管理か、管理会社に委託するか
  4. 賃料の設定:近隣の相場を調査して適正価格を設定する
  5. 契約書の作成:DIY部分の取り決めを含めた契約書を作成する

特に田川市・飯塚市エリアでは、空き家率が高い分、賃料設定は慎重に行う必要があります。田川市の空き家率は20.98%、飯塚市は18.21%と全国平均(13.8%)を大きく上回っています(総務省「住宅・土地統計調査」2023年)。需要と供給のバランスを見極めた賃料設定が重要です。


まとめ

空き家のDIYリノベーションは、低コストで空き家を活用する有効な手段です。ただし、電気・ガス・構造・給排水に関わる工事はDIYの範囲外であること、耐震性の確認が不可欠であることを忘れないでください。

また、「DIY可能物件」として借り手に改修を任せる方法も、初期投資を抑える選択肢として検討に値します。

大切なのは、建物の状態を正確に把握したうえで、どこまでDIYで対応できるか、どこからプロに任せるべきかを見極めることです。


空き家の状態確認やリノベーションのご相談は、株式会社玄風までお気軽にどうぞ。当社は解体工事業の許可を保有しており、建物の状態調査から活用プランのご提案まで対応しております。顧問弁護士との連携により、賃貸契約に関するご不安にもお応えします。

株式会社玄風(福岡県田川市)

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