第11回:相続人の範囲と法定相続分 ── 誰がいくらもらえるのか?

「父が亡くなったのですが、兄弟のうち誰がどれだけ相続できるのでしょうか?」

株式会社玄風にも、こうしたご質問は非常に多く寄せられます。相続が発生したとき、まず確認しなければならないのが「誰が相続人なのか」「それぞれの取り分はどれくらいか」ということです。

今回は、法律で定められた相続人の範囲と、それぞれの法定相続分についてわかりやすくご説明します。


法定相続人には「順位」がある

民法では、亡くなった方(被相続人)の財産を受け継ぐことができる人を「法定相続人」として定めています。法定相続人には順位があり、上の順位の人がいる場合、下の順位の人は相続人になれません。

常に相続人になる:配偶者

被相続人の配偶者(夫や妻)は、常に相続人になります。ただし、法律上の婚姻関係にある方に限られます。内縁関係の方は、残念ながら法定相続人にはなりません。

第1順位:子(直系卑属)

被相続人の子が最も優先的に相続人となります。実子・養子のどちらも含まれます。

第2順位:父母・祖父母(直系尊属)

子がいない場合に限り、被相続人の父母が相続人になります。父母がすでに亡くなっている場合は祖父母が相続人となります。

第3順位:兄弟姉妹

子も父母も祖父母もいない場合に限り、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。

(出典:民法第887条〜第890条)


法定相続分はこう決まる

法定相続分とは、法律で定められた各相続人の取り分の割合です。遺言がない場合の目安となります。

パターン1:配偶者+子が相続人の場合

  • 配偶者:2分の1
  • 子(全員合計):2分の1

たとえば、配偶者と子ども2人が相続人の場合、配偶者が2分の1、子ども2人がそれぞれ4分の1ずつとなります。

パターン2:配偶者+父母が相続人の場合

  • 配偶者:3分の2
  • 父母(全員合計):3分の1

パターン3:配偶者+兄弟姉妹が相続人の場合

  • 配偶者:4分の3
  • 兄弟姉妹(全員合計):4分の1

配偶者がいない場合

同順位の相続人で均等に分けます。たとえば子ども3人なら、3分の1ずつです。

(出典:民法第900条)


代襲相続とは?── 相続人が先に亡くなっていたケース

相続人になるはずだった子が、被相続人より先に亡くなっていた場合、その子の子(つまり被相続人の孫)が代わりに相続人になります。これを「代襲相続」といいます。

さらに孫も亡くなっていた場合は、ひ孫が相続人になります(再代襲)。

兄弟姉妹が先に亡くなっていた場合は、その子(被相続人の甥・姪)が代襲相続しますが、兄弟姉妹の場合は再代襲はありません。甥・姪の子は相続人にはならない、ということです。

(出典:民法第887条第2項・第3項、第889条第2項)


要注意!前妻の子や認知した子も相続人

「前の奥さんとの間に子どもがいるのですが、相続人になりますか?」というご質問もよくいただきます。

答えは「はい、なります」。

離婚した前妻(前夫)との間の子も、法律上の親子関係がある以上、被相続人の子として第1順位の相続人になります。離婚によって配偶者の相続権はなくなりますが、子の相続権はなくなりません。

また、婚姻関係にない方との間に生まれた子であっても、認知されていれば相続人になります。以前は「非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1」というルールがありましたが、2013年の最高裁判決を受けた法改正により、現在は嫡出子と同じ割合です。

(出典:民法第887条、最高裁大法廷決定 平成25年9月4日)


法定相続分はあくまで「目安」

ここまでご説明した法定相続分は、あくまで法律上の目安です。実際の遺産分割では、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)によって、法定相続分と異なる割合で分けることもできます。

たとえば「長男が実家の不動産を引き継ぐ代わりに、預貯金は他の兄弟に多く渡す」といった形です。

また、遺言書があれば、遺言の内容が法定相続分に優先します。ただし、遺留分(最低限保障された取り分)を侵害する遺言については、遺留分侵害額請求が可能です。


相続人の確定は最初の一歩

相続の手続きは、まず「誰が相続人か」を正確に把握することからすべてが始まります。戸籍謄本を取り寄せてみたら、知らなかった相続人が見つかった、というケースも珍しくありません。

特に不動産が含まれる相続では、相続人が一人でも欠けた遺産分割協議は無効になってしまいます。

株式会社玄風では、福岡県内の不動産相続に関するご相談を承っております。「相続人の範囲がよくわからない」「不動産の分け方で困っている」といったお悩みがあれば、顧問弁護士とも連携しながらサポートいたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。


次回の第12回では、「生前贈与で相続税を減らせるのか?」をテーマに、2024年改正後の正しい活用法を解説します。お楽しみに。

相続・空き家でお悩みですか?

株式会社玄風は、提携士業と連携し相続から不動産売却まで対応します。まずはお気軽にご相談ください。

無料相談はこちら LINEで相談
LINE相談